大正10年12月28日
12月28日（水曜日）、午前8時50分出勤。
昨日の土沢村石田書記からの預り金4円25銭を、渡辺書記に渡す。
先日26日に高田慎蔵氏（70歳）が亡くなった。告別式は、30日に東京市本郷区湯島新花町の霊運寺にて、午後0時から2時に行われる。当日は、町長の代理として、助役が焼香する予定。
藤田町長は、山王町と茶屋町の下水改造工事の件で、両区長に交渉された。
相模漁業会社から、役場一同に、太刀魚が歳暮として贈られた。
今日は御用納めのため、午後2時に藤田町長から事務終了を告げられる。例年の通り、吏員一同で忘年の祝酒を捧げた。
同4時頃散会、退庁。
解説
機械貿易商として財をなした高田慎蔵は、大磯や平塚に別邸を持っていました。年の瀬の不幸ですが、小見助役が会葬する予定です。
衛生状態を改善させるためでしょうか。藤田町長自ら、下水改造工事の交渉に出向いています。
相模漁業株式会社からお歳暮が届きました。太刀魚ですが、大漁だったのでしょうか。太刀魚（立魚とも書く）は、夏から秋に獲れますが、12月になると大きくなって、よりおいしいそうです。
振り返れば、前年のこの頃は、ブリ漁をめぐって新たに相模漁業株式会社が設立され、何度も既存の契約変更に関する話し合いが行われていました。お歳暮は、そのお礼でしょうか。100年前のことですが、大正10年というこの1年も、いろいろなことがありました。
例年のように1年の労をねぎらい、御用納めです。来年が良い年でありますように。
予告
小見助役の大正10年分の日誌はここまでです。次回は、大正11年1月1日から始まります。2022年1月1日から更新しますので、お見逃しなく！
更新日：2021年12月28日