大正10年12月2日
12月2日(金曜日)、午前7時40分出勤。
今日も収入事務に従事した。加藤収入役が欠勤のため、忙殺した。
中郡水産会の議員選挙の結果
第1号選出議員 添田平左衛門・二宮長松・三宅悌吉・郷土久蔵・山下濱吉
第2号 真間竹蔵(製造側)
第3号 長島國吉・安部川彦造・岩田綱吉(販売側)
以上、本日報告する。
本日、伊藤公爵家の末松生子殿から藤田町長と議員一同へ、記念品として『孝子伊藤公』と題する書籍が贈与された。
午後4時30分退庁。
解説
中郡水産会の議員が選挙で選ばれました。中郡水産会は、この年の4月に公布された水産会法に基づき設立された法人組織です。水産業の改良と発達を目的として、国・道府県・郡市の単位で設置されました。
大磯町が属する中郡では、すでに9月に発起人会と総会が開催されていましたので、今回の選挙が行われました。この選挙は、一度、11月に保留となっていたものです(大正10年9月26日、11月15日参照)。
伊藤公爵家から記念品として贈与された『孝子伊藤公(こうしいとうこう)』は、伊藤博文の次女である生子の夫、末松謙澄(すえまつけんちょう)の著作で、明治44年(1911年)に刊行された伊藤博文の伝記です。
末松謙澄は、歴史家・政治家・ジャーナリストとして活躍しましたが、この前年の大正9年(1920年)10月、世界的に流行したスペイン風邪に罹患して亡くなっています。
参考
『孝子伊藤公』は、国立国会図書館のデジタルコレクションで読むことができます。
更新日:2021年12月02日