大正10年6月23日
6月23日(木曜日)、午前7時50分出勤。
藤田町長は、中郡役所へ出張された。
町村改造の件で町村長会議が開催された。
午前10時半頃、宮中の新嘗祭への献穀耕作人、渡辺廣三氏が町長に面会にみえる。渡辺氏は中郡役所で会議中の藤田町長のところに出向いて用件を済ませ、役場に立寄られてすぐに帰られた。
加藤収入役が欠勤したため、収入事務を取扱う。午後3時から収入役の領収印が改正され、新しい領収印を採用した。
午後4時10分退庁。
解説
11月23日の宮中の新嘗祭への献穀耕作人として、神奈川県中郡の農家の中から、渡辺廣三が選ばれました。新嘗祭は、宮中の祭典の中でも最も重要なもので、天皇が神嘉殿で新穀を神々にお供えして、陛下が育てられた新穀もお供えし、神恩を感謝された後、自らも召し上がる祭式です。
渡辺廣三は、吉田茂と幼少の頃の遊び友達で、また、共に藤沢市羽鳥にあった小笠原東陽が開いた耕余塾で学んでいます。(『名宰相吉田茂と学舎耕余塾』p.89より)
更新日:2021年06月23日