大正10年6月21日
6月21日(火曜日)、午前8時50分出勤。
昨日、戸田技術員が辞職し、今日から梅田米麦検査員が勧業事務を代理で務める事になった。
昨日20日、北下町で腸チブスの患者が発生したとのこと、曽根田医師から報告があり、隔離舎へ入院させた。
午前10時頃、藤田町長は鰤敷組合との漁場使用料の件で出張した。組織変更による契約打切りの一時金2,000円を受納された。受納金は収入役に預ける。
今日は例年通り国府の市のため早退。午後0時50分帰宅。
解説
藤田町長が受け取った契約打切りの一時金2,000円は、大磯鰤敷網組合と丸越漁場が合併してできた新会社、相模漁業株式会社と、漁場の使用料をめぐって交渉してきた結果です。
国府の市は、現在5月5日に行われている国府祭(こうのまち)のことです。国府が営まれるにあたり近在の有力神社を合わせ祀ったとする総社制度に由来し、1千年近くの伝統を持つと言われています。神揃山(かみそろいやま)に、一之宮(寒川神社)・二之宮(川勾神社)・三之宮(比々多神社)・四之宮(前鳥神社)・平塚八幡宮の5社の神輿が寄り集まって、六所神社との間で祭祀が行われます。座問答(寒川と川勾による一之宮の座争い)や、鷺の舞(鷺・龍・獅子の舞)が行われ、天下泰平や五穀豊穣が祈願されます。(大磯町郷土資料館編『大磯町の年中行事』資料館資料3、p.15)
更新日:2021年06月21日