大正10年6月4日

更新日:2021年06月04日

6月4日(土曜日)、午前7時30分出勤。

本日も、相変わらず戸籍謄抄本事務に従事した。

午後6時から役場庁舎内で、所得税調査委員選挙の候補者を選定するため、議員・区長・納税者と協議した。種々、町長から選挙に関する詳しい説明があった。9時散会。候補者は未定のため、町村長の会議で取り決めることになった。

解説

夕方から開かれた集会の議題となった「所得税調査委員」とは、明治20年(1887年)から昭和22年(1947年)まで存在し、個人所得税の賦課課税に大きな影響力を持っていた制度のことです。

委員会の会長は郡長、調査委員は互選で選ばれた地域の名士で、納税者の代表として、税務署が納税者の申告に基づき一律に推計して算出した課税額を、委員会で再検証して調整し、それを課税決定額としていました。委員会は、納税者の実情に応じて課税の均衡をはかる役割を担っていました。しかしこの当時、日露戦争・第一次世界大戦・戦後恐慌などで経済状況が激変し、その役割は改善を迫られるようになってきていました。

この日、町長が選挙制度について説明していますが、これもこのような状況の流れの一つで、前年大正9年に選挙制度が間接選挙から直接選挙に改定されたためと思われます。

所得税調査委員や、その選挙制度についての詳細は、次のリンク先をご覧ください。

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