大正10年5月28日
5月28日(土曜日)、午前7時35分出勤。
朝倉前校長先生が見えて、『大磯誌』の編纂原稿の閲覧を、藤田町長に依頼した。
午後0時30分退庁。
解説
今日は、朝倉前校長先生が、町役場を訪ねました。
朝倉前校長は、大磯小学校の2代目の校長先生で、朝倉敬之(よしゆき)と言います。明治27年(1894)から大磯小学校の校長に就任し、大正9年(1920)まで26年間校長を務めました。
朝倉先生が持ってきた『大磯誌』の原稿とは、おそらく、のちに発行される『大磯案内』のことだと考えられます。『大磯案内』は、朝倉敬之が別名の誠軒(せいけん)の名で大正11年に発行した、大磯の歴史や風物を紹介した冊子です。この『大磯案内』は、その後、昭和3年(1928)に再版され、現在はその再版本が多く残っていますが、大正11年の初版本は、大磯町立図書館に1冊だけ所蔵されています。
この日は、戸籍事務に忙殺されることもない、穏やかな土曜日だったようです。
更新日:2021年05月28日