大正10年3月5日
3月5日(土曜日)、午前8時出勤。
今日から県庁で産業調査会が始まる。戸田技術員・渡辺勧業主任・梅田米麦検査員が参加した。6日間の予定。
午後1時30分頃から、高来神社の高麗神官が来場して、祭式の講習をした。小生と加藤書記が参加。
午後4時退庁。
帰宅後、夕食を済ませてすぐ役場に戻り、停車場で高松宮殿下を奉送した。9時頃帰宅。
解説
この日から6日間の日程で、県庁において産業調査会が開かれました。大磯町役場からは、商工・農林水産業にかかわる事務(勧業)を担当している書記たちが出張しています。
午後から、高来神社の高麗神官が祭式講習に来ました。100年前の当時は、神社の祭式に、天皇の使いとして町役場の官吏が、幣帛(へいはく)を奉げる奉幣使(ほうへいし)となる事が義務付けられていました。儀式によってさまざまな作法があるうえに、失態は許されなかったでしょうから、しっかり学ぶ必要があったと思われます。この後、3月7日に、白岩神社の例祭が行われるため、そのための講習だったのかもしれません。
また、夕食後、慌ただしく駅に向かって奉送した高松宮殿下とは、大正天皇の第3皇子宜仁親王(のぶひとしんのう)のことです。
更新日:2021年03月05日