大正10年9月28日

9月28日（水曜日）、午前7時30分出勤。

本日も相変わらず収入事務に忙殺される。

午後1時から献穀粟の抜穂式があり、藤田町長が参加された。助役は参加しなかった。理由は、今朝午前10時頃に発生した安田善次郎翁の遭難事件に対して、現場へお見舞いに伺ったためである。

本日も収入事務のため、多忙を極めた。

午後4時40分頃、退庁。

無事に献穀粟の抜穂式が行われました。ほっとされたことでしょう。干して、精白、選別と、これからも気が抜けません。

大磯の王城山の別邸・寿楽庵で、安田善次郎は面会した朝日平吾に刺殺されて亡くなりました。犯人も自殺しています。安田善次郎は一代で安田銀行（後の富士銀行）を創業、金融を通じて多くの事業家を支援しました。渋沢栄一等と、支援した浅野総一郎による、鶴見―川崎間150万坪の埋立て事業は、現在、京浜工業地帯として発展しました。