大正10年8月26日
8月26日(金曜日)、午前7時50分出勤。
養豚組合に対して、牡豚に病気が発生したと豚の管理者から連絡があり、すぐに中郡役所へ申告した。小泉技手は現場へ出張し、診察の上、病気届を県へ提出した。
午後0時30分退庁。
解説
日誌には豚の病気発生とありますが、病名の記載はありません。100年前の当時は、豚コレラが流行していました。豚コレラは、ブタとイノシシに感染し、人には感染しません。大正10年(1921)に獣疫調査所が設置され、家畜の感染症の研究や、血清類及び薬品の製造・配布が実施されるようになりました。獣疫調査所の機能は、現在は国立研究開発法人農研機構に受け継がれています。
豚コレラは、日本では約50年にわたって撲滅運動が行われ、平成19年(2007)4月に豚コレラフリーを宣言しています。
参考文献
清水悠紀臣「日本における豚コレラの撲滅」(『動衛研研究報告』第119号、2013年)
更新日:2021年08月26日