大正10年8月21日
8月21日(日曜日)、休日。
統監道周辺で、腸チフス患者が発生した。隔離舎へ入院させた。
解説
「統監道(とうかんみち)」とは、大磯駅から線路沿いを通り、現在の大磯中学校付近で南側へ曲がって、国道1号に通ずる道です。現在、大磯中学校の前にはバス停「統監道」があります。
明治30年(1897)頃から新道の建設が計画され、当時の大磯町長 宮代謙吉と町会議員の運動によって、2,970円という多額の寄附を得て、明治40年(1907)8月16日に開通しました。当日の式典では、80歳以上の者(当時は現在で言うと100歳以上の長寿をお祝いされる人)65人の通行や、初代韓国統監であった伊藤博文が、大磯駅から伊藤博文の自邸「滄浪閣」まで通行しました。夜には提灯行列が行われ、滄浪閣の門前で万歳三唱をして解散したそうです。
「統監道」の名称は、伊藤博文の職名にちなみ、道路が開通した当時の宮代新太郎町長が名付けました。
参考文献
鈴木昇『大磯の今昔』6、p.250~260
更新日:2021年08月21日