大正10年8月3日
8月3日(水曜日)、午前8時10分出勤。
相変わらず戸籍謄抄本事務に忙殺。
本日は、例月死亡報告を税務署に報告。
海員掖済会の会費80銭を納めた。
午後0時30分退庁。
本日、宅地地租完納。
解説
戸籍事務が本当に大変なようです。小見助役は、個人的な感情を書くことがほとんどありませんので、「相変わらず」という言葉に疲労がにじみ出ています。
会費を納めた「海員掖済会」とは、船員に対する福利厚生全般を行っていた団体です。小見助役は、前年大正9年11月26日に入会したことを記録しています。ちなみに、「掖済」(えきさい)とは、「掖(わき)に手を添えて救い導くこと」という意味で、この会の発起人の一人でもあった前島密が、英語の「relef」(リリーフ)が持つ意味の和訳として考案した言葉だと言われています。
更新日:2021年08月03日