大正9年12月3日

更新日:2020年12月03日

12月3日(金曜日)、午前8時30分出勤。

午後1時から土木委員会を召集したが、定員に満たなかったため、流会。

午後7時から、衛生・消防に関する通俗的宣伝のビラを貼る。警察署と町役場が主催となって開催。 午後8時頃から藤田町長が開演の辞を述べ、前阪医師が松田氏を紹介し、警察署長の大川重廣氏が衛生・火防について、最近の状況を熱弁した。続いて、松田某氏(北海道出身)の衛生・火防に関する歌と演舌があった。小学校生徒・消防夫・衛生委員、その他多数の聴講者があり、盛会を極めた。

午後10時帰宅。

解説

土木委員会を召集しましたが、議員が集まらず流会。今では考えられませんが、日誌の中には同様の記載が、時折見受けられます。

警察と町が共催した衛生と消防に関する「通俗的宣伝」とは、「社会教育」のこと。「火防」は「防火」、「演舌」は「演説」と同語です。

大正時代は、明治時代に日本に入ってきたレコード・映画(当時は活動写真と呼ばれた)といった新しいメディアが成長した時代でした。レコードでいわゆる流行歌や社会風刺の歌が広まったり、活動写真は娯楽だけでなく、さまざまな情報の周知にも利用されるようになっていました。10月に初めて行われた国勢調査の前(9月19日)には、周知のための映写会が行われています。松田某氏が披露した「衛生火防の歌」も今では残っていないと思われますが、そういう時代の流れの中で作られた歌の一つだったのでしょう。

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