大正9年10月13日

更新日:2020年10月13日

10月13日(水曜日)、午前7時50分出勤。

北下町の船揚場貸借の件について、神奈川県属が町長に面会した。

午後1時頃から、町長が中郡役所へ出頭。

日本赤十字社の第三期(大正9年分)の切符を作成し、15日に発布する予定。

午後4時20分退庁。

解説

小見助役の日記に度々出てくる、「県属」という言葉。毎回、どのように表記すればよいか悩み、このコーナーでは、県の職員と超訳してしまったり、そのまま県属と書いてみたり、振り返れば、表記方法が揺れているような気がします。

さて、この「県属」の「属」ですが、簡単に言うと、当時の県庁で働いていた職員の一つです。当時は、県に勤める職員は、地方官官制という勅令に定められていて、属は、上官の指揮を受けて、庶務に従事する職員を指しました。

現在の県職員と照らし合わせて見れば、まさしく県職員ということになりますので、県職員という表記も間違いではないと考えます。一方で、当時の官公庁では、天皇の任命によって仕事をしているか否かで、官吏(かんり)と雇員に分けて定義していました。県属は、天皇の任命によって仕事をする職員として、官吏に該当します。現在では、どのような任用形態であっても「職員」と一括りに呼びますが、そのような意味で使う「職員」とは、ややニュアンスが異なるように思います。

「県属」と書くと意味がわかりにくいですし、「県職員」とすると厳密には異なるような気がして、悩ましい限りですが、改めて地方官官制を見ましたら、第一条に「各府県に左の職員を置く(以下略)」とありましたので、県職員の表記でもいいかもしれません。

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