大正9年5月11日
5月11日(火曜日)、午前7時30分出勤。
午前7時50分に投票箱を、藤田町長、小島立会人、長島書記、佐野巡査の護衛で、郡役所へ送った。
昨日の投票数は、大磯町総数281票に対して151票であった。明日に開札する予定。
神明町の下水の件について、町民から町長に相談があり、まとまったことが報告された。
午後4時10分退庁。
解説
前日の衆議院議員総選挙を終え、今日は、一晩おいた投票箱を郡役所へ運びました。前日の記事に宿泊、とあったように、当時は泊まりで投票箱を守り、翌日に開票場所へ運び、翌々日に開票されたのですね。投票を締め切った直後に、テレビで選挙速報が流れる現在とは、大違いです。
大磯町の場合は、開票場所の中郡役所が、町役場の近所にあったので、投票箱の運搬は大した作業ではなかったと思いますが、中郡は、現在の秦野市や伊勢原市の方も含まれるので、仮に郡内の投票箱が全て郡役所に運び込まれたのであれば、大変な作業であったと考えられます。開票が2日後になることも納得です。
大磯町の投票率は、約53%。残念ながら、当時もあまり高くなかったようです。
更新日:2020年05月11日