大正9年3月19日

更新日:2020年03月19日

3月19日(金曜日)、午前7時30分出勤。

午前11時から役場の楼上で学務委員会を開いた。奥山・浅沼・渡辺・町長・助役が集合。教員の増俸令について協議した。小学校校長の補助教員の月俸を40円、専科裁縫教員を30円と県から指定されているが、専科については町村長の裁量で決めることができる。そのため、学務委員にはかり、異議なく指定通りと決定した。また、県において、小学校教員の平均月俸額は35円と決定された。

淳宮殿下が大磯駅を御通過されたため、助役が奉送した。

午後5時から町役場の楼上において在郷軍人会の表彰状披露式が行われた。役員を召集し、宴会が行われた。式場において、奥山分会長から開催の挨拶があり、町長、助役から祝辞を述べた。午後7時に終了、直ちに帰宅した。

解説

教員の給与について、学務委員を集めて協議が行われました。大正9年(1920)10月に公立学校職員年功加俸令が制定されているため、この法令の前段階として協議が行われていた可能性があります。当時、教員の給与が低いことが問題視され、小学校長などから要望が出されることもありました。国が豊かになる一方、教員の待遇改善は置き去りにされていたようです。

17日に予告されていた通り、在郷軍人会の表彰状披露式が行われました。式典で小見助役が読み上げた祝辞の全文が、日誌に掲載されています。ぜひ、読んでみてください。

小見助役の祝辞

大正9年3月14日、帝国在郷軍人会中郡聯合会分会第2回の盛挙に臨み、忠勇の諸士と相見ゆるを得たるは、深く歓喜する所。

殊(こと)に当大磯町分会員諸君は降雨を冒し、誠心を発揮し他の分会に卓越し、多数参会の功空しからず、式場に於て聯合分会長より懇篤なる賞詞を給わり、今回更に名誉の表彰状を授与せられたるは、役員の指導誘掖熟誠に外ならず。

本日爰(ここ)に其披露の祝宴を挙げらる、洵(まこと)に賀すべく慶すべきの至りなり。

不肖図らずも列席するの光栄に接し深く感謝す。

諸士願わくば一意本会の趣旨を遵奉し、規約に悖(もと)らず、至誠忠実以て努力せられんことを切望して止まざるなり。

聊か所感を述べ、併せて各位の健全を祈る。

祝辞の解説

誘掖(ゆうえき)とは、みちびき助けるという意味です。今風に読むとこのようなところでしょうか。

大正9年3月14日、帝国在郷軍人会中郡聯合会分会第2回の盛挙に臨み、忠勇の諸士と互いに親交を深めあえたことは、大変喜ばしいところであります。

特に、当大磯町分会会員の皆様は、悪天候の中、誠心を発揮して、他の分会よりも卓越して多数参会致しました。その努力の甲斐あって、式場において聯合分会長からお褒めの言葉を頂戴し、さらに名誉の表彰状をいただきましたことは、役員の皆様のご指導の賜物にほかなりません。

本日、ここにその披露の祝宴を挙げられますことをひとえにお祝いし、お慶びの言葉を申し上げる次第です。そして、本会に列席させていただける光栄を、深く感謝致します。

当大磯町分会会員の皆様が、本会の趣旨を守り、規約に背かず、今後もますます忠心をささげ、努力されることを切望して止みません。最後になりましたが、皆様のご健康をお祈りし、お祝いの言葉とさせていただきます。

(…かなりの超訳です。)

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