大正9年3月14日
3月14日(日曜日)
秦野町の小学校において開催される在郷軍人第2回総会のため、午前5時に町の在郷軍人一同を山王町の松並木に集合させ、奥山分会長と共に秦野町へ出張した。
当日は雨天であったため、余興は中止された。勅語奉読式と四十九聯隊司令官代理松本大尉によるシベリアの実見談の講話があった。午後4時に散会し、帰宅した。
高松宮殿下が大磯駅を御通過され、町長が奉送した。
解説
在郷軍人とは、軍務に服していない予備役・後備役・退役の軍人のことを言います。100年前の日本には徴兵制度があり、一度兵役を受けた人、つまり現役を終えた軍人は、その後、予備役や後備役に服し、普段は市民生活を送りながら、非常時に軍人として召集される要員となっていました。
明治43年(1910)には、在郷軍人の親睦会として帝国在郷軍人会が結成され、平時においても軍人としての心構えを持つよう、教育が行われていました。今日の日誌に見られる在郷軍人の会は、この在郷軍人会の総会だと考えられます。
何と朝の5時に山王町松並木に集合。総会では、勅語の奉読式とシベリアに関する大尉の講演が行われました。当時はロシア革命を受けて、第一次世界大戦の連合国軍がシベリアに出兵した、いわゆるシベリア出兵の真っ最中。時代を感じる内容です。
更新日:2020年03月14日