大正9年2月2日

更新日:2020年02月02日

2月2日(月曜日)、午前8時40分出勤。

加藤書記は早退。

今日は戸籍謄抄本に忙殺した。

町長は、中郡町村長協議会に出席するため平塚町役場へ出張した。

鴫立庵の工事の見積もりを仲手川重吉が提出。
工事面積13坪6合、見積額77円52銭(内訳:杉皮194包(48円50銭)・竹 長さ5寸3束(12円)・針金300匁(69銭)・釘100目(23銭)・鳶職人の手間賃7人分(16円10銭))

午後1時から夜中12時まで、西小磯雑社宇賀神社の例祭のため、太神楽を興行する予定だったが、雨天のため明日3日に延期になった。

午後4時30分退庁。

解説

加藤書記が早退したためでしょうか、小見助役は戸籍謄抄本事務に追われたようです。

町長は、定例の町村長協議会に出張。その間に、鴫立庵の工事見積もりが業者から提出されました。大事な項目なので、日記ではこの部分が赤字で記載されています。工事の内容については、翌4日に屋根のふき替え(萱葺き)と記載されています。

今と大きく違うのは使われた材料の単位。尺貫法です。更に針金や釘は重さで書かれていて、太さや長さで区別する今とは違います。因みに長さ5寸は約15.1cm、300匁は重さで1,125g、100目(=匁)も重さで375gとなります。

杉皮は、今でも建材として使われてはいますが、加工に手間がかかるため高級品だそうです。かつては屋根葺きの防水材として重宝されていました。材料費と比べると、人件費は安いような気がしますが、大正8年に決められた職人賃金表によると鳶職1人1日で1円30銭、大工は2円となっています。(『大磯町史』3)

また、西小磯雑社宇賀神社とは、今も西小磯にある宇賀神社のこと。祭神は大食津姫命(おおみけつひめのみこと)。創建は養老年間(717年~724年)以前とも伝わる古い神社です。

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