大正9年1月15日

更新日:2020年01月15日

1月15日(木曜日)、午前8時15分出勤。

今日から今年度の徴兵壮丁名簿に調印を採る。

午後3時頃、町長は私用のため退庁した。その時に町長から命令されたことを記す。

人力車並列所について

  • 新築費650円の内、半額を負担する。
  • その費用は大磯銀行から借用し、日掛けで返済する。
  • 場所は鉄道局が許可した場所にする。(便所の近く)
  • 敷地料は鉄道局の指定通りに負担する。
  • 以上で異議なければ、直ちに新築してよい。

人力車組合理事は不在であったため、町役場へは来なかった。

午後4時10分退庁。

解説

2日前の1月13日から作成している徴兵に関する名簿ですが、今日は徴兵壮丁名簿への調印が行われました。当時は徴兵令に基づいて国民の徴兵が行われており、町が徴兵事務の一部を担当しました。毎年1月に行われる壮丁名簿の作成も、その一つです。

当時の日本の徴兵制度は、満17歳から満40歳までの男子へ兵役を義務付けるものでしたが、徴兵検査の対象となる年齢は満20歳からであり、満20歳になる年の1月中に、本籍の市町村へ届け出る必要がありました。市町村は、その届けをもとに、壮丁名簿を作成しました。この名簿には、町長の署名押印が必要であったため、日記に調印を採ると記されたのでしょう。

大事な仕事を終えた町長は、私用のため3時に早退、人力車並列所の新築について命令を残します。人力車並列所とは、大磯駅(停車場)前の人力車の待合所のことであり、今でいう駅前のタクシー乗り場です。残念ながら、人力車組合の理事は、訪ねて来ませんでした。

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