大正9年1月10日
1月10日(土曜日)、午前8時30分出勤。
栢木書記は病気が全快して、出勤した。
今年の徴兵適齢届の綴りを書き写す。
午後1時から大磯小学校において書道講習会があり、これに参加した。
午後3時帰宅。
解説
やっと栢木書記が体調を快復して出勤しました。当時は役場で働く人が少なく、それぞれ担当が決まっていたと思われますから、仕事がだいぶ滞っていたのかもしれません。日記の最初に記入したところをみると、小見助役もうれしかったのではないでしょうか。
この日の主な仕事は、徴兵に関する帳簿事務。兵事に関わる事務は、言うまでもなく大変重要な仕事でした。当時の兵役法(徴兵令)では、男子が満20歳になると、その家の戸主が本籍の市町村に適齢届を提出する義務があり、役場はそれを厳密に管理して兵役を課す人員を把握していなければなりませんでした。それに基づいて名簿を作成し、徴兵検査が行われていたのです。この日の事務は、提出された届をもとに、名簿一覧を作成したのだと思われます。
書道講習会についての詳細は、わかりません。この日は土曜日なので、本来の事務終了時刻は正午までなのですが、仕事が終わってから小学校に出向いたためなのでしょう。帰宅が遅くなっています。
更新日:2020年01月10日