鴫立庵の展示

更新日:2021年05月08日

鴫立庵(しぎたつあん)は、大磯にある、江戸時代から続く俳諧道場です。俳諧道場とは、集まった人たちで句作をひねり出し、お師匠さんを中心に作品を批評し合うなどの句会を行う場所のことです。鴫立庵には江戸時代から代々、師匠となる庵主さんがいます。そして、現在も句会などが行われ、町の歴史的な文化施設として利用されています。

このたび、鴫立庵に18世庵主の鈴木芳如氏のご親族から展示ケースが寄贈され、鴫立庵の入り口に展示コーナーができました。郷土資料館は、江戸時代から続く鴫立庵の資料を、所蔵資料として管理しています。これらの資料を、鴫立庵で有効に活用していただくため、鴫立庵の展示コーナーを定期的に展示替えさせていただくことになりました。

鴫立庵の展示コーナー

現在は、歴代庵主の短冊などを展示しています。

鴫立庵改修工事の寄進帳

中でも注目の資料は、こちら。現在、NHKで放送されている大河ドラマの主人公、渋沢栄一の名前が記された、鴫立庵の改修工事に対する寄進帳です。寄進とは、つまり、鴫立庵の改修のためにお金を寄付したということで、渋沢は金2円を寄付しています。

なぜ、渋沢が鴫立庵に寄付したのでしょうか。実は、明治時代になって初めて庵主となった、11世庵主の大澤寿道は、現在の埼玉県深谷市出身で、渋沢と同郷でした。そのため、交流があったようなのです。ちなみに、この寄進帳の渋沢の右隣には、尾高惇忠の名前もあります。

(この資料は大型で展示ケースに入らなかったため、写真パネルで紹介しています。)

原昔人が作製した一本足蛙

また、鋳金の美術家としても知られる、15世庵主の原昔人が作製した、蛙の置物も展示しています。この置物は、「一本足蛙」として知られ、原の俳句の師匠である正岡子規に贈られたものです。現在、鴫立庵で展示している作品は、原の手元に残された置物だと考えられます。

現在の展示は、2021年6月まで展示している予定です。資料保存のため、定期的に展示替えする予定ですので、お楽しみに!

鴫立庵のご案内

鴫立庵へのアクセスなどは、次のリンク先をご覧ください。

この記事に関するお問い合わせ先

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〒255-0005
神奈川県中郡大磯町西小磯446-1
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