大磯町郷土資料館の常設展示室

更新日:2021年04月07日

2021年度、新年度になりました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う緊急事態宣言も解除され、少しずつですが、郷土資料館も「表(おもて)」の活動を再開しつつあります。

さて、今日は改めて、心機一転、郷土資料館の常設展示室をご紹介します。郷土資料館の常設展示は、資料保存の観点から、定期的に展示資料を替えています。つまり、展示構成は変わりませんが、少しずつ資料が変わっているので、ご来館いただいた時によって、多少、違う資料を見ることができます。

大磯町郷土資料館常設展示の東海道大磯宿のコーナー
東海道大磯宿小島本陣の大名に対する宿泊依頼の手紙

この写真は、常設展示室の一つのコーナー、東海道大磯宿を紹介するコーナーです。大磯は、江戸時代に東海道の宿場町が置かれていました。このコーナーでは、ナマの資料として、郷土資料館が所蔵する小島本陣資料の中から2、3点の資料を選んで展示しています。

現在、展示している資料は、小島本陣に宿泊した公家や大名が、本陣へ贈り物として授けた和歌や俳句の短冊や、小島本陣に泊まってほしい!とお願いした手紙などです。

この手紙、実は、少し変わった様式で書かれていて、紙を半分にして下の部分は逆向きに文字が書かれています。文字が逆向きになってしまう理由は、紙を横長に半分に折って書くためです。広げると下半分の文字が逆さまになってしまうのですね。このような形式の手紙を折紙(おりがみ)と言い、もともとは手紙に一枚添える白紙(礼紙(らいし))を代用した形式になります。

 

大磯町郷土資料館常設展示室の松本順のコーナー
松本順が処方した日用下剤

続いては、常設展示室の真ん中にある「松本順」のコーナーです。このコーナーでは、郷土資料館が所蔵する松本順に関する資料を展示しています。

今回ご注目いただきたい資料は、真ん中に展示している「日用下剤」です。この薬は、腹痛などに効く薬として松本順が処方したもので、その効用などが書かれた紙と一緒に、2包の薬が入っています。「日用」とは、日頃、常備して服用するための薬という意味です。松本は、常備薬の大切さを説いたことでも知られていて、まさしくそのために作られた薬と言えるでしょう。今ではドラッグストアで簡単に風邪薬などが手に入りますが、そのように多くの人が薬を簡単に手に入れられる世の中を目指していたのですね。

大磯町郷土資料館で展示している伊藤博文の椅子

最後にご紹介する資料は、最近、大磯小学校からご寄贈いただいた伊藤博文の椅子です。この椅子は、伊藤博文から大磯小学校へ贈られたもので、長い間、校長室に保管されていました。もしかしたら、校長室で見たことがある人もいるかもしれません。

伊藤は、大磯小学校が移転した時に500円(当時の金額では大金!)を寄付するなど、大磯小学校とは深い関係がありました。

大きな資料なので、写真のように展示していますが、貴重な資料です。ご見学の際は、気を付けてご観覧ください…!

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