国府祭の準備がはじまりました

更新日:2017年03月15日

大磯町では、毎年5月5日に「国府祭」が行われます。 国府祭は神奈川県の無形民俗文化財に指定されており、旧相模国(横浜市の一部と川崎市を除く神奈川県全域)内の六つの神社が合同で行う祭りです。一ノ宮から順に、寒川神社、川勾神社、比々多神社、前鳥神社の四社と五ノ宮格・平塚八幡宮、六所神社が参加します。これは、相模国府で行なわれていた総社の祭り、あるいは国司の祭りと呼ばれている祭礼の伝統をひくものだと考えられています。

その最初の準備が、3月12日に行われました。

神揃山の草刈

国府祭が行われる場所は、「神揃山(かみそろいやま)」や「大矢場(おおやば)」と呼ばれる場所です。
12日には、神揃山の草刈が行われました。この祭りの当番は、国府新宿と国府本郷の中丸・馬場の各地区が交代で務めます。ただ、草刈に関してはすべての地区の方が参加して行われました。

各地区が草刈を行う場所は、毎年決まっているそうです。祭りの当日、神揃山には各神社の神輿がやってきます。
新宿は二宮(川勾神社)、馬場は三宮(比々多神社)、中丸は一宮(寒川神社)、四宮(前鳥神社)、八幡さん(平塚八幡宮)が、それぞれやってくるための道の草刈を行います。

8時30分にはじまった草刈は、約2時間ほどで終了しました。

神揃山の草刈

ミゴづくり

草刈が終わると、六所神社の境内でミゴづくりが行われます。
ミゴとは、稲藁の芯の部分を抜き出したものです。このミゴは、国府祭で配布されるチマキを作るために利用されます。
草刈は3地区すべてが参加して行いましたが、ミゴづくりは、一年ごとに代わる当番の地域の方が行います。今年の当番は、国府新宿でした。

ミゴづくりは、手作業で行われます。
はじめにオシギリで稲藁をある程度の長さまで切断します。できるだけ長いミゴを得るため、節より根に近い部分を切るとのことです。

次に、節の上部をハサミなどで切ります。

稲ワラの節

続いて、穂先の部分を引っ張って、ミゴを抜きとります。

引き抜いたミゴ

最後に引き抜いたミゴを50本や100本束ねて、輪ゴムで縛って作業は終了です。

束ねたミゴ

この日、20名強の人数で 8000本 のミゴを作りました。

お祭りはいつからはじまるのか?

草刈の際、宮総代の方があいさつをしていました。そのあいさつの中に、次のような言葉がありました。

「今日から国府祭がはじまります」

はじめに、「『国府祭』の準備がはじまりました」とご紹介しましたが、正しくは「『国府祭』がはじまりました」なのかもしれません。

お祭りはいつからはじまるのか。考えてみると、なかなか難しい問題であることがわかります。

国府祭と同じく、大磯町内で行われている国指定無形民俗文化財「大磯の左義長」は、1月14日に行われます。当然ですが、その準備はそれ以前から行われています。「大磯の左義長」に関するものでは、12月8日に一番息子が行われます。

多くの方が行っているであろう年中行事では、「正月」も、そのはじまりを捉えるのは難しいのではないでしょうか。

1月1日から3日をいわゆる「お正月」(大正月)とすることが多いですが、その準備はいつからはじまりますか? かつては「ススバライ」などと呼ばれていた大掃除、あるいは正月を迎えるために必要なものの買い出し・・・・・・正月のはじまりは、いつなのでしょうか。

かつては、新しい年を迎えるために必要なものは、「歳の市」などで購入されていました。現在では市が立つ場所も少なくなりました。それでもスーパーマーケットや商業施設などが、惹句として「歳の市」ということばを使い続けています。

身近なお祭りや行事がいつはじまるのか。気にしてみると、何か新しい発見があるかもしれません。

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