大漁の証の手ぬぐい
今日のお話は大漁祝いの手ぬぐいについてです。
先日、国府の中丸地区にお住まいの方から手ぬぐいをご寄贈いただきました。
手ぬぐいは2枚で、それぞれ「大漁 原船丸」「祝大漁 原船丸」と書かれています。
「祝大漁」などの文字からわかるように、地曳網で大漁の際に配られたもので、寄贈者のお母さまに贈られたものとのことです。
このことを裏付けるように、中丸地区のことが書いてある『大磯町史民俗調査報告書3』には、地曳網で大漁だった際に船の経営者であるフナモト(アミモトともいいます)から、フナカタ(船の従業員)や、地引網を浜へ引き上げるヒキテたちに手ぬぐいが配られたことが書いてあります。このヒキテには女性が多かったといいます。寄贈者のお母さまもヒキテとして手伝いに行っていたようです。
ちなみに、大漁が特別に続いて特に収益が上がった場合にはマイワイといわれる晴れ着が配られました。
現在大磯町全体を見ても、地曳網自体が以前に比べ行われなくなりました。
ですが、この2枚の布は私たちに過去の暮らしを語りかけてくれているのです。
更新日:2024年12月24日