県指定無形民俗文化財「国府祭」について

更新日:2023年05月31日

県指定無形民俗文化財「国府祭」について

 神奈川県指定無形民俗文化財「国府祭(こうのまち)」は、5月5日の端午の節句に、大磯町の神揃山(かみそろいやま)と大矢場(おおやば。馬場公園)で行われます。旧相模国内(横浜市の一部と川崎市を除く神奈川県全域)の六つの神社が合同で行う祭りです。一之宮から順に、寒川神社(寒川町)、川勾(かわわ)神社(二宮町)、比々多(ひびた)神社(伊勢原市)、前鳥(さきとり)神社(平塚市)の四社と、五之宮格・平塚八幡宮(平塚市)、六所神社(大磯町)が参加します。この六社を類社(るいしゃ)と呼んでいます。六所神社は旧相模国の総社(そうしゃ)で、いくつかの社に祀られている神を一か所に勧請した神社にあたります。各国の総社は、律令制における国司が国内の神々を巡拝する際の旅行を省略するため、国府に設けられたことがはじまりだといわれています。

座問答(ざもんどう)

座問答(ざもんどう)

神揃山で行われる神事です。一之宮・寒川神社の神職が、虎の皮を敷き、座をとります。すると、二之宮・川勾神社の神職がより上の場所に同様に座をとり、両社による上座のとりあいが演じられます。これを三度繰り返すと、三之宮・比々多神社の神職が、「いずれ明年まで」と言って仲裁するものです。

鷺の舞

鷺の舞(さぎのまい)

鷺の舞は、大矢場(逢親場、王家場とも)の舟形舞台で舞われます。鷺の舞のほか、龍の舞、獅子の舞があり、それぞれ、天下泰平、五穀豊穣、厄災消除を祈願すると伝えられています。

寒川神社白木神輿渡御

寒川神社神輿渡御行列

一之宮・寒川神社の白木神輿渡御行列のようすです。太鼓や社名旗、高張提灯等、神輿の行列は、祭場の神揃山に向かい練り歩きます。途中、甚句が唄われます。

川勾神社白木神輿渡御

川勾神社神輿渡御行列

二之宮・川勾神社の神輿行列が続きます。お囃子の山車がみえます。途中の化粧塚では、粽撒き神事が行われ、往来の人々に配られます。

粽撒き(ちまきまき)

ちまき行事

三之宮・比々多神社による行事で、神揃山の力石の所で行われます。うるちの粉をふかしてつき、片手で握って作ったシトキを、杉の葉とともに俵に詰めます。「ヨイショウ」の掛け声と共に数回持ち上げ、俵が壊れるとシトキ餅を四方八方へ祝い分けとしてまきます。この餅を拾い御供として無病息災諸安全を祈ったものです。

麦振舞

麦振舞(むぎぶるまい)

四之宮・前鳥神社の行事。神揃山に向かう途中の化粧塚で行われ、神輿を担ぐ白丁(はくちょう)等に力飯(ちからめし)が振る舞われます。御霊神輿到着後、茣蓙を2列に敷き、折敷を並べツワブキの葉を敷き、一口大の豆おこわに、煮大根と唐辛子をのせます。白丁は力飯を食べ終わると、膝をつき両手を挙げて「オー、オー、オー」と3回雄叫びをあげます。

八幡囃子

八幡囃子(平塚八幡宮)

大矢場では各社のお囃子の競演が賑やかに行われます。東から、六所神社太鼓保存会、川勾神社(令和5年は茶屋本陣囃子保存会)、比々多神社(三宮なでしこ囃子会)、前鳥神社囃子太鼓保存会、八幡囃子太鼓保存会、二十四軒町若宮囃子太鼓保存会の山車が並びます。また、前鳥神社の里神楽が奉納されます。

平塚八幡宮大神輿

平塚八幡宮大神輿

五社の神輿が、平塚八幡宮から順に大矢場を出立します。馬場公園内外の広場や交差点等で神輿を練りながら進みます。また、三之宮は神輿を真横に振る暴れ神輿がみられます。

ハナ合わせ

ハナ合わせ

神輿のハナ合わせは、大矢場で行われます。神輿の担ぎ棒の先端をハナといいます。寒川神社の白木神輿と、川勾神社の大神輿と白木神輿、六所神社の大神輿が、輿頭の合図で公園内を練り、前後するものです。

渡御行列

渡御行列(六所神社)

五社の大矢場出立後、鉾神輿の渡御行列が六所神社に向かいます。国司(大磯町長)や旗持ちの子どもたち等が、神社まで歩いて行きます。神輿の宮入後、直会が行われます。なお、各社還御の際には、御旅所祭や迎え火を焚くところもあります。

道浄め(5月4日)

道浄め(こゆるぎの浜)

道浄め(こゆるぎの浜)

国府祭の前日4日には、子どもたちを中心に、道浄めが行われます。六所神社から国府地区内を巡り、西小磯のこゆるぎの浜にて桶に砂を集め、それを町内各所に撒きながら浄めていきます。

この記事に関するお問い合わせ先

教育委員会 教育部 生涯学習課 生涯学習係
〒255-0003
神奈川県中郡大磯町大磯992(大磯町立図書館内)
電話番号:0463-61-4100(内線:323)
ファックス:0463-61-7913
メールフォームによるお問い合わせ