【吉田茂資料紹介】任命辞令
大磯町郷土資料館が令和3年3月末に発行した『資料館資料19 吉田茂関連資料目録(一) 吉田家旧蔵資料』に収録されている資料を、順次ブログにてご紹介しています。
当館が所蔵する吉田家旧蔵資料には、吉田茂が受け取った辞令が多く残されています。
辞令は大きく分けて、外交官時代のものと、戦後の外務大臣や内閣総理大臣を歴任した際の官記(辞令書)とがあります。
今回はそのうち、戦後に吉田が受領した任命辞令をご紹介します。
昭和20年 外務大臣任命辞令(東久邇宮稔彦王内閣)
まずは、昭和20年(1945)外務大臣の任命辞令です。
吉田茂は、昭和20年9月より東久邇宮稔彦王内閣の外務大臣を務めました。
辞令の中央には、昭和天皇の御名御璽があり、向かって右に、被任命者である吉田茂の名前があります。
昭和21年 内閣総理大臣任命辞令(第1次吉田茂内閣)
次にご紹介するのは、昭和21年第1次吉田茂内閣を組閣した際の、内閣総理大臣任命辞令です。
任命の肩書が、「内閣総理大臣兼外務大臣第一復員大臣第二復員大臣」となっています。吉田茂は、第1次吉田内閣組閣の際、外務大臣および第一復員大臣、第二復員大臣を兼任していました。
このうち、第一復員大臣は戦前の陸軍大臣、第二復員大臣は同じく海軍大臣にあたり、戦後は、軍の解体後、陸軍省・海軍省が主として軍の復員関係の業務を担う省になったため、名称が変更されました。
ちなみに、昭和22年1月31日から2月15日までは農務大臣も兼任しており、その際の任命辞令も資料に含まれています。
昭和23年 内閣総理大臣任命辞令(第2次吉田茂内閣)
昭和21年までの辞令には、名前の前に「正三位勲一等 吉田茂」などと位階勲等が記されていましたが、生前叙勲の制度が昭和21年5月3日の閣議決定で廃止されたため、名前のみとなっています。
第2次吉田内閣の前は、芦田均が内閣総理大臣を務めていたため、左に芦田の副署があります。日本国憲法下の内閣総理大臣任命辞令では、一番左には、前任の内閣総理大臣の名前が記されるのが通例です。
昭和24年 内閣総理大臣任命辞令(第3次吉田茂内閣)
第3次吉田内閣の際の、内閣総理大臣任命辞令です。
このときは、第2次から連続して吉田が内閣を組閣したため、前任者・後任者ともに吉田茂となっています。
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更新日:2021年08月22日