大磯町の境界石を調査する2
先日、ご紹介した境界石の調査について、第2回を6月8日に行いました!
境界石は、主に別荘の所有者が、所有している敷地の境界を示すために立てた石の杭です(詳しくは、前回の調査報告をご覧ください!)。前回は、石の洗浄を行いましたので、次のステップとして今回は石に刻まれている文字を確認しました。
文字を確認する方法は、小麦粉を振りかける方法と湿拓を試してみました。この記事で紹介する写真は、いずれも小麦粉を振りかける方法で撮影したものです。
まずは、この小さい石から。小麦粉を振りかけた後、刷毛で余分な小麦粉を落とすと、くぼんだ部分に小麦粉が入り、白く浮き上がって見えます。この特性を生かして、石に刻まれた文字を読むという方法です。
ただ、凹凸がはっきりしていれば効果があるのですが、この小さい石はあまり凹凸がはっきりしていないため、文字の判読は難しいです。左側の写真では、「自是…」と辛うじて読むことができ、「これより…」と書かれているようです。右側の写真は「並木」でしょうか。
こちらは、前回も紹介した伊達家の境界石。大磯町にあった伊達家の別荘とは、宇和島伊達家10代宗陳(むねのぶ)の別荘で、大正3年頃から、現在のこいそ幼稚園がある辺りにありました。(ちょっとアップロードした写真では、文字の判読が難しいかと思います。ごめんなさい…!)
そして、こちらは三井家の境界石。三井家とは、現在の大磯町郷土資料館がある県立大磯城山公園にあった別荘「城山荘」を建てた三井家のことで、城山荘の敷地を示す杭です。現在も現場に建っているものがありますが、郷土資料館でも2本所蔵しています。
こちらの杭には「昭和12年4月13日 地境」と書かれているのでしょうか。昭和12年3月には、ちょうど茶室「如庵」の移築が始まっています。
次は、いよいよ実測を行う予定です。
更新日:2023年06月20日