救急の現場から#4 熱中症対策について

更新日:2015年08月04日

熱中症対策について(H27年7月号)

 今年も「熱中症」という言葉がニュースで聞かれる季節になりました。熱中症対策は大丈夫ですか?

 消防職員も夏季の救急・火災出動等では、首に冷却タオルを巻いたり、スポーツドリンクを携帯して熱中症対策をしています。

 ところで、ある救急現場では、このようなことがありました。

 ある初夏の夜、高齢者の方が、脱力感とめまい感を訴えての救急要請でした。

 部屋に入ると、「むっ」とする暑さ。窓は閉まっており、扇風機がカラカラと回っていました。救急隊は、窓を開けて外気を取入れながら容態観察を始めます。皮膚は熱く、全身に汗をかいて、麻痺や痛みはなし。

 そして、事情を聴くと…

・日中は緑茶で水分補給は、こまめに取るようにしている。

・夜間はトイレに行くのが面倒なので、寝る前の水分補給は控えている。

・かかりつけ医院では、高血圧のため、医師から塩分を控えるように指導されており、極力塩分摂取はしていない。

・夜間は防犯のため、窓を閉めてカギをかけている。

「エアコンは冷えすぎるので好きではない。昔から扇風機を使っている。」

「実は、朝から下痢をしている。」

という話を聞くことが出来ました。

 

【救急隊の考え】

・汗をかく季節なのに、お茶だけで水分補給して、塩分も控えている。 (適度な塩分も必要なのに…)

(寝る前の水分補給も大切なのに…)

・窓を閉切り、この蒸し暑さ。

・下痢で体の水分も不足している。

⇒これは、熱中症が疑われるな!

 この方は、救急搬送後、熱中症と診断され、点滴処置と整腸薬を処方された後、帰宅されたそうです。 

 みなさん、全てとは言いませんが、心当たりはありませんか?

 この方は、幸い軽症ですみましたが家族による発見が遅れたり、本人が我慢をしすぎることにより、入院治療が必要な状態や、命を落してしまう状態になる危険性もありました。

 多くの熱中症は、対策をすることで予防することができます。

 危険性を理解して、熱中症対策を実行しましょう。

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