大磯町横溝千鶴子記念障害福祉センター建物明渡等請求事件の「控訴」について(令和元年7月2日記者発表)

更新日:2019年07月02日

1 控訴の趣旨

 令和元年6月21日、横浜地方裁判所小田原支部における上記判決は、原告である町の請求を棄却するものであるが、不服があるので控訴する。

2 控訴の理由

(1)違法状態の放置
 裁判所は、判決において大磯町横溝千鶴子記念障害福祉センター(以下、「障害福祉センター」という。)は本町が所有者であり、町の行政財産であることを認めている。そして現状の使用貸借契約についても地方自治法第237条第2項に違反しており無効としている。
 一方で、それとは異なる結論の第一審判決を受け入れることは、社会福祉法人おおいそ福祉会(以下、「当該団体」という。)が障害福祉センター2階部分の占有を続けることになり、本来、公平・平等に使用できるものである行政財産の独占的、永続的使用を認めるという違法状態を放置することになる。

(2)「現時点における権利の濫用」に対する見解
 これまで町は、裁判に至るまでの間、相当の努力、提案と配慮を当該団体に対し行ってきた。
 平成23年6月より障害福祉センターの施設使用の適正化のために使用料を始めとする様々な課題に対して当該団体と話合いを重ね、新しい契約を締結し、正当な使用期限と使用料を含めた正常な行政財産の使い方にしたいと申し入れてきた。
 しかし、平成27年11月頃から町が当該団体に話合いを申し入れても応じず、その後の交渉において話合いが出来ないため、このままでは施設使用の適正化が図れないことから、やむを得ず訴訟となったものである。
 第一審の判決は、町が行政財産として所有権を有する、障害福祉センターについて建物明渡しと賃料相当損害金を求めることは権利の濫用又は信義則違反ではないとしながらも、現時点において権利の濫用としたことは承服できない。

(3)社会福祉法人の責任と町の今後の対応
 第一審の判決では、当該団体の社会福祉法人としての運営と通所している障がい者を一体として配慮がされていないかのような内容となっている。
 社会福祉法人である当該団体は民間の法人であり、その法人の運営は自らの責任において行うものである。
 一方で、明渡しを命ずる判決が出た際には、行政の責任として個々の障がい者の状況に配慮した支援を行い、当該団体で活動する障がい者の日常生活及び社会生活に不安や影響が出ないことを確保するものである。
 第一審の判決で認められたように障害福祉センターは町が所有している公共施設であり、行政財産であるため、施設使用の適正化の観点から、町が明渡しを命ずる判決を求めることは当然である。
 今後は障害福祉センター全館が早期に、町内で活動する様々な障がい福祉関係の方々が、公平・平等に使用できる施設として、また本町の障がい福祉の拠点となるよう当該団体も含めて協議を重ねていく。

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