平成27年度 鳥獣害対策講習会開催結果概要

更新日:2020年06月09日

平成27年度 第3・4回 鳥獣害対策講習会を開催しました

6月に引き続き、鳥獣害対策講習会を開催しました。
今回は、座学とみかんの圃場を使用した現地講習と、生活被害対策で町民の皆さんが被害防止対策として樹木の剪定作業を実施している場所での検証作業などを実施しました。

日にち・場所

第3回 平成28年1月7日(木曜日)、大磯町役場国府支所、虫窪のみかん圃場
第4回 平成28年1月8日(金曜日)、東小磯防災館、善兵衛池周辺

講師

井上雅央(いのうえまさてる)氏(元 近畿中国四国農業研究センター鳥獣害研究チーム長)

内容・一般参加者数

1月7日(木曜日)、45人参加

  • 鳥獣害対策の基本的な考え方
  • 鳥獣害から守れる畑・地域のつくり方など
  • 畑で実習(イノシシや鳥など、様々な被害を総合的に防げる畑に改善する方法)
座学の様子(1日目)

座学の様子(1日目)

現地講習の様子(1日目)

現地講習の様子(1日目)

1月8日(金曜日)、25人参加

  • これまでの善兵衛池周辺における取り組み報告(町環境課)
  • 鳥獣害防除対策専門員による調査報告(県湘南地域県政総合センター環境調整課)
  • 効果的なイノシシ対策について(井上氏)
  • 環境点検(講師と一緒に地域を歩き、生活被害の原因の点検と対策の検討)
座学の様子(2日目)

座学の様子(2日目)

現地確認の様子(2日目)

現地確認の様子(2日目)

講習会のポイント(第3・4回)

第3回 みかん圃場実習(1月7日)

鳥獣害から守れる畑づくりの実習を行いました。この畑は、実際にイノシシ被害にあっている畑です。
電気柵を設置する前に、畑全体を「餌付けしない畑」に変えて行くことが重要だと講師から指導がありました。
実際に剪定作業をやってみました。

 

選定前の樹木

このまま畑の境界に電気柵を設置すると、柵の外側に果実が出てしまいます。すると、落下した果実をイノシシが食べることができるので、餌付けになり、イノシシが畑に来るようになります。

剪定後の樹木

そこで、柵の外側に果実が出ないように、木を伐採して樹形を変えました。この状態で柵を設置すれば、果実が落下してもイノシシは食べることができません。イノシシは餌を食べられないので、来なくなります。

鳥獣の被害対策のポイントを理解したうえで、鳥獣のエサが電気柵の外に出ないような環境を作ることで、被害を少なくすることができることを参加した皆さんが理解されました。

第4回 生活被害対策の検証(1月8日)

平成27年6月の講習会で学んだ次の事項を実践する。

  • 地域みんなで鳥獣に関する知識の習得
  • 鳥獣が近寄らないような環境づくり(ひそみ場所の解消、落下果樹などのエサをなくす)
  • 捕獲による駆除

地域住民参加による上記事項の実践

これらを踏まえて、イノシシが出没する箇所の樹木の剪定を実施しました。

  • 第1回剪定集会 8月27日(木曜日)
  • 第2回剪定集会 11月27日(金曜日)
  • 第3回選定集会 12月14日(月曜日)

その結果、樹木を剪定した場所からのイノシシの出没が減りました。

剪定前の様子

選定前の様子

剪定後の様子

剪定後の様子

鳥獣被害防除対策専門員による調査報告

6月の講習会後、住民参加による剪定作業実施後に、県の職員が現地を確認しました。
その結果を地図に記載したものを以下に示します。
剪定作業を実施した場所からのイノシシの出没はなくなりましたが、イノシシの潜み場所をなくしていくことが重要と、専門員は話しています。

 

9月から10月前半の状況

9月から10月前半の状況

10月後半から11月の状況

10月後半から11月の状況

12月の状況

12月の状況

講習会を終えて

1月に開催した講習会には、2日間合わせて70人以上の農家や町民の方に参加いただきました。
アンケート結果を見ますと、約95パーセントの方が「とても参考になった」「参考になった」と回答されています。また、約80パーセントの方が鳥獣被害を受けており、同じく約80パーセントの方が今回の講習会で得た知識を実践していこうとお考えでした。
6月と同じ講師の方に今回も講習をお願いしましたが、実践を交えた講習会に参加された皆さんから好評を得ました。80パーセント以上の方が今後も同様の講習会に参加したいと回答されています。
町も、鳥獣の被害防止のため、これからも講習会を開催し、みんなで学習し、守れる田畑・集落を作り、囲いと追い払いを実践することで、鳥獣が近寄らない環境づくりをすすめていきたいと考えています。

 

平成27年度 第1・2回 鳥獣害対策講習会を開催しました

大磯町では、イノシシなどによる農作物被害や生活被害(鳥獣害)が増加しています。
今までの鳥獣害対策は駆除中心でしたが、鳥獣害対策は、鳥獣を近寄せない対策が重要です。
そこで、町民や農業者に向けた、鳥獣害対策講習会を開催しました。

日にち・場所

第1回 平成27年6月21日(日曜日)、大磯町保健センター
第2回 平成27年6月22日(月曜日)、町役場国府支所・西小磯地区の圃場

講師

井上雅央(いのうえまさてる)氏(元 近畿中国四国農業研究センター鳥獣害研究チーム長)

内容

  • 獣害対策の基本的な考え方
  • なぜ被害が増えているのか
  • イノシシをおびき寄せない庭にするための、庭木の剪定方法
  • 安価で効果的な電気柵の設置方法
  • 環境点検(イノシシをおびき寄せている原因、電気柵の設置方法)

参加者数

34人(2日間)

講習会の様子

座学(1日目)

講習会の様子

現地講習(1日目)

講習会の様子

座学(2日目)

講習会の様子

現地講習(2日目)

講習会(第1・2回)のポイント「増える鳥獣害を減らすために」

鳥獣害と呼ばれているものは、イノシシ、シカ、サル、ハクビシン、アライグマ、カラスなど様々ですが、大磯町で大きな被害を受けているものはイノシシです。
町では、これまでワナを設置し、イノシシの捕獲を実施していましたが、被害が減らず、対応に苦慮していました。
そこで、鳥獣害対策の専門家をお招きして講習会を開催しました。

捕獲だけでは被害が減らない

現在、町内に30基近くのワナを設置しており、昨年度(平成26年度)は78頭のイノシシを捕獲しました。
しかし、イノシシ被害は減っておらず、捕獲のみの対策では限界があることがわかってきました。

イノシシはなぜ畑や住宅地に来るのか

井上氏によれば、その大きな理由は、「餌と隠れ場所」があるからと言います。
餌は、畑で捨てられた農作物残さや、刈り取られた稲のあとから生えてくる「ヒコバエ」、収穫しない栗や柿の木の実など、私たちが餌と認識していないものもイノシシから見れば餌となります。
言い換えれば、知らず知らずのうちにイノシシに餌を与えている状況となっています。
また、住宅地でも雑草が生い茂っているところや、耕作がされていない農地など、イノシシが隠れる場所が多くなっています。

どうすればイノシシが来なくなるのか

講師の井上氏は、対策はどういう順番でやるかが重要で、次の順番で実施すると効果が出ると言います。

  1. 地域のみんなが勉強すること
  2. 守れる田畑や集落に改善すること
  3. 田畑の囲いや追い払いをきちんとすること
  4. 個人で無理なこと(捕獲など)

お話の要点としては、

  • 収穫しない作物を畑に放置しないこと(餌を残さない)。
  • 草やぶを減らしてイノシシの潜み場所を無くすこと。
  • 電気柵を設置する場合は正しい方法で設置すること。

などが重要です。
被害対策は基本的には面倒な作業です。いかに楽しみながらみんなで地域づくりをしていくかがポイントになってくるのではないでしょうか。
このような事例として、島根県美郷町の活動を井上氏からご紹介いただきました。

今後の対策

今後は、近隣自治体や住民の皆さんと協力して獣害対策を進めていきたいと考えています。
また、今後も講習会開催の予定をしています。詳細が決まりましたらお知らせします。

アンケート結果

 

お問い合わせ

生活被害(住宅地など)に関することについては、
環境課環境・エネルギー係(美化センター内) 電話72-4438

農業被害(農産物など)に関することについては、

産業観光課産業振興係 電話61-4100(内線263)

この記事に関するお問い合わせ先

産業環境部 産業観光課 産業振興係
〒255-8555
神奈川県中郡大磯町東小磯183
電話番号:0463-61-4100(内線:262,263)
ファックス:0463-61-1991
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