大磯と村井吉兵衛
大磯には、明治時代から、さまざまな著名人が別荘を構えましたが、村井吉兵衛もその一人です。
現在、たばこと塩の博物館(東京都墨田区)で、特別展「明治のたばこ王 村井吉兵衛」が開催されています。
村井吉兵衛は、1864年(文久4)、京都のたばこ商の家に生まれ、日本でたばこの専売制が始まる1904年(明治37)まで、国内最大手のたばこ業者として活躍しました。
1902年(明治35)から大磯町内の土地を所有し始め、主に大正時代(1910年代)に別荘として利用していたようです。たばこと塩の博物館の特別展では、この大磯別邸の貴重な写真も見ることができます。
また、たばこの専売制が始まったのち、吉兵衛は銀行を立ち上げるなど、実業家としての本領を発揮していきます。実業家吉兵衛を紹介するコーナーでは、1913年(大正2)に発行された日本の資産家の番付が展示されていますが、村井吉兵衛のほか、岩崎久弥や徳川頼倫など、大磯に別荘を持っていた著名人がたくさん登場しています。この番付から、大磯に関係した人を探すのも、なかなかおもしろいです。
ちなみに、たばこ業において村井吉兵衛のライバルの一人であった千葉松兵衛も、大磯に別荘を持っていました。
特別展は、2021年1月24日まで開催しています。新型コロナウイルスの感染に気を付けながら、お出かけください。
更新日:2020年12月18日