1月の民俗マンスリー展示「ウナイグワ」
民俗分野の展示では、毎月一つ、月替わりで資料を展示しています。
今月のマンスリー展示は、「ウナイグワ」です。
ウナイグワは、田や畑をうなう(たがやす)ために使用されるクワの呼称です。今回展示したクワは、木製の刃床部に刃先を取りつけたもので、大磯町ではクワベラとも呼ばれていました。この形のクワは、比較的、古い形状のクワであり、重たいため振るうのが大変ですが、その重みのおかげでより良くたがやすことのできるクワでした。
ウナイグワという呼称のものとなった「うなう」という言葉は、「ウナイゾメ」という正月の年中行事でも使用されています。正月の4日、お飾りやお供えのためのもちを持って、その年の恵方(アキ)の方角にある田や畑に向かいます。そこで田畑をうなうまねをしたあと、お供えをします。
ウナイゾメは新しい年の豊作を祈る、仕事はじめの行事です。ウナイゾメをする前に田畑に入ることは禁じられていて、入ってしまうとケガをするとも言われていました。
資料館にお立ち寄りの際は、ぜひマンスリー展示をご覧ください。
更新日:2018年11月16日