ウスでそば粉ひき
「そば粉をひきたいんだけど、使えるウスなんてありますか?」
郷土資料館にはいろいろな電話がかかってきます。民俗(民具)に関しては、実際に利用できる資料があるかどうかの問い合わせがくることも珍しくはありません。これまでの例では、ツキウスやキネ、足踏み脱穀機、タライ、洗濯板、サイヅチなどについて問い合わせをいただいたことがあります。
今回の電話は町内で様々な活動をしているグループの方からです。そばの実を収穫したけれど、粉にするためのウスがなくて困っているとのことでした。
当館の収蔵資料のなかには、たくさんのウスがあります。しかし、現在も使えるものとなると数が限られてきます。数年前、小学生の体験学習で使用したコナヒキウスがあったことを思い出しました。
「私自身が実際に使用したことはありませんが、以前小学校の体験学習で利用したがありますよ」
そうお伝えしたところ、使えるかどうか試してみたいという話になりました。
収蔵庫からコナヒキウスを取り出してみますと、資料整理カードに「2014年2月21日 国小3年生 体験学習に使用(大豆をひく)」という記載がありました。
ウスの利用を希望した3名の方と一緒に、ビニールシートをひき、お持ちいただいたそばの実を入れ回してみると……。
見事、そば粉になりました!
今回は使用可能かどうか確かめるために少量の実を持参したとのことでしたので、資料の館外貸出の申請をしていただき、コナヒキウスの貸出をしました。
実際の使用に耐えうる資料だということがわかったことは良いことでした。来年2月・3月に春季企画展にあわせて行うイベントでも、粉ひき体験の実施を企画することができそうです。
更新日:2018年11月16日