【吉田茂資料紹介】刀剣「兼定」

更新日:2021年04月29日

大磯町郷土資料館が令和3年3月末に発行した『資料館資料19 吉田茂関連資料目録(一) 吉田家旧蔵資料』に収録されている資料を順次ブログにてご紹介していきます。

※前回の記事→吉田茂関連資料目録の刊行

実父竹内綱から贈られた刀剣「兼定」

今回ご紹介するのは、吉田茂の実父の竹内綱が、吉田の東京帝国大学卒業と外交官試験及第のお祝いとして贈った刀剣「兼定」です。竹内から官僚は誘惑が多い仕事であるから、この刀剣で「俗念を断ち切れ」と吉田に渡したそうです。また、牧野伸顕の長女・雪子と結婚する際、結婚式を欠席した吉田茂のかわりとして新郎の席におかれたのも同じ刀剣です。

刀剣兼定

刀剣「兼定」(明応7年 濃州関兼定作)

刀剣を収納している箱には「関兼定大太刀」と墨書きで書かれています。
また、フタ裏には、竹内綱直筆の書で以下の内容が記されています。

余五男茂自約為友人吉田健三之養子
(私は五男の茂を約束により、友人吉田健三の養子とした)

資性勤勉好学、昨年五月卒業帝国大学、為法学士
(性格は勤勉でよく学び、昨年五月に東京帝国大学を卒業し、法学士となった)

十一月及第外交官試験被任領事官補
(十一月には外交官試験に及第し、領事官補に任ぜられた)

今茲歳三十従此立身行道前途遼遠
(今ここに30歳より身を立て、前途遼遠の道を行く)

汝宜勉強
(汝よろしく勉強すべし)

茲贈汝兼定古刀為祝賀之記念之者
(ここに祝賀の記念として古刀兼定を贈る)

明治四十年一月元旦試筆 乃父竹内綱識
(明治40年1月元旦書初め 父竹内綱書き記す)

 

兼光? 兼定?
刀剣兼定銘

銘「濃州関 住 兼定作」

ここまでの話を読んで、あれっと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、吉田茂の回想では、竹内綱から贈られた刀剣は「兼光」とされており、様々な書籍でも「兼光」として登場しています。しかし、吉田家からいただいた刀剣の銘を確認すると「濃州関 住 兼定作」とあり、さらに竹内綱が刀剣の箱に記した裏書にも「茲贈汝兼定」と書かれています。吉田の記憶違いだったのか真相は定かではありませんが、資料をみるかぎりでは、吉田の回想で登場する「兼光」が「兼定」であると考えられます。

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資料館資料19は郷土資料館および旧吉田茂邸の受付で販売しています。

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