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愛の地蔵尊(泣き原の地蔵)


愛の地蔵尊   お伊勢参に旅だった数人の村人達は、無事に参詣をすませて大井川まで戻ったが、川止めにあい、この村人達の中の一人の若者は、結婚後三ヶ月もたたない若妻が家で待っているので、帰路を急ぐあまり川止めの禁を犯し、濁流に呑みこまれてしまった。村人達は村へ戻り、この若妻に「夫は、川止めと聞いて、幾日も待っておれないと舟で伊豆を廻ってこゆるぎの浜へ帰るといっていた。」と嘘を言った。若妻はこの話を信じ、展望の台地(湘南富士見平)へ迷い出て相模灘を覗きこむように夫の帰りを待ったが、ついに歌うが如、泣くが如、夫の名を呼び続けてこの台地をさまよう身となった。
 後に、この話に感激した一女性が私費を投じて地蔵を建立し、厚くこの若妻を供養した。これが「愛の地蔵尊」である。



 愛の地蔵尊(虫窪)

 虫窪には「泣き原の地蔵」がまつられている。これは、昔、土沢(平塚市)の者が伊勢参りに行った帰り、川の増水で流されてしまい、行方不明になってしまったことがあった。そこで霊をなぐさめるために地蔵をまつり、「泣き原の地蔵」とよぶようになったという。地蔵は昭和47年に盗難にあい、現在は道了尊から譲り受けた地蔵がまつられている。
 この地蔵はイボとりの地蔵として霊験あらたかだといわれており、地蔵の祠には小石がたくさん供えられている。この小石でイボをこするととれるのだといい、そのお礼に小石を倍にして返した。また、婚礼の行列はこの地蔵の前を通ってはいけないという。どんな遠回りをしてもこの地蔵の前は通らなかった。
          (『大磯町史8 別編民俗』 P694)
  愛の地蔵




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